研究課題/領域番号 |
13440027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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研究分担者 |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
津田 一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10207384)
上山 大信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20304389)
国府 寛司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50202057)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 反応拡散系 / 大域分岐 / 自己複製パターン / 自己相似パターン / パルス / カオス / 散乱 / 進行波解 / 分水嶺解 / カオス的遍歴 / ミルナーアトラクター / リアプノフ指数 |
研究概要 |
本課題で得た主要結果の概要を以下に列挙する。 1.分水嶺解(scattor)の複雑時空パターンにおける役割。 散逸系の粒子解の衝突・散乱現象においてはGray-Scottモデルをはじめ、多くのモデル方程式において分水嶺解とよばれるサドル解が衝突前後の入出力関係を制御していることが解明された。 しかしこれらはサドル、すなわち不安定な解であり、数値的にも捕捉することは容易ではない。 Newton法の改良、分岐解追跡ソフトAUTO等を駆使することにより、ガス放電系を記述する3種反応拡散系に対して2次元での分水嶺解を数値的に求めることに成功した。 合体解と瓢箪解の2種類があり、不安定次元は5と2である(平行移動の零固有値は含まない)。 これらの不安定方向が衝突後の出力のダイナミクスを決める。さらに瓢箪解から合体解へのヘテロクリニック軌道の存在も数値的に確認された。これら分水嶺解の近傍のダイナミクスは粒子解の大域的ダイナミクスを理解する上で骨格的役割を果たす。 2.複雑時空パターンのサドル連結からみた全体構造の理解。 衝突後のダイナミクスが時空カオスとなる場合でも分水嶺解の存在し、それが微小摂動により同じ時空カオスを生み出すことも確かめられた。衝突という強い相互作用を経由して多様なダイナミクスが生み出されていくが、それは分水嶺解付近の局所ダイナミクスが全体を統御している可能性を示唆している。 3.ミルナーアトラクターを生成する一次元写像を円管状に連結した系でのカオス的遍歴の生成過程と、その基本的性質を詳細に調べた。特に最大リアプノフ指数の収束が極めて遅いという特徴が注目される。 4.特異摂動的ベクトル場のConley指数理論の応用として、時間と共にゆっくりと振動的に変化するある種の非自励的Hamilton方程式系における解の複雑な振舞いを記号力学系的に記述する方法を与えた。
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