研究課題/領域番号 |
13440081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
石原 信弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50044780)
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研究分担者 |
田村 詔生 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00025462)
山田 善一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00200759)
稲垣 隆雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60044757)
江村 恒夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (40015053)
喜多村 章一 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60106599)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 二重ベータ崩壊 / ニュートリノ質量 / マヨラナ・ニュートリノ / ドリフトチェンバー / 運動量測定器 / 運動量分析器 |
研究概要 |
ニュートリノ振動は太陽ニュートリノ実験に端を発し、大気ニュートリノ実験で確実性を広げ、ここ数年の長基線加速器実験や原子炉実験によって確定された。このことによりニュートリノが質量を持つことは決定的になったが、質量の絶対値はいくらかということと、ニュートリノはマヨラナ粒子かディラック粒子かという問題が残された。ニュートリノの質量が何故軽いかを自然に説明するシーソー機構(柳田、ゲルマン達)はマヨラナ質量項を要求するので、この機構が正しいとするとニュートリノはマヨラナ粒子であり、ニュートリノレス二重ベータ崩壊が生ずることになる。このような背景の中で本研究課題「DCBA-Tによるニュートリノレス二重ベータ崩壊の探索」が計画された。 DCBAとはDrift Chamber Beta-ray Analyzerの略称であり、ミニジェット型ドリフトチェンバーとソレノイドマグネットから構成されるが、そのテスト装置としてDCBA-Tを試作した。最近のニュートリノ振動実験の結果を基に理論面から予想されているニュートリノ質量は約0.05eV程度である。そのような質量感度を持つ測定器を実現するには段階的な開発が必要であるが、約4eV程度の感度を持つDCBA-Tはその第一歩として位置づけられる。DCBAは二重ベータ崩壊で生ずる2つのβ線の飛跡を一様磁場中のドリフトチェンバーで捕らえ、運動量から運動エネルギーを求めるものなので(1)ガンマ線には不感である、(2)電子、陽電子、アルファ線の選別が可能である、(3)2本の飛跡から崩壊点を数mm程度の位置精度で求めることが出来る、といった特徴を持つ。このため他の将来計画の大部分を占める熱量計型の検出器と比較してバックグラウンド事象を格段に少なくすることができる。 DCBA-Tにより、(a)崩壊ソース近傍に配置された^<207>Biから放出される内部転換電子を使って1MeV領域での電子の磁場中での螺旋軌道飛跡が得られること、(b)飛跡から電子の運動エネルギーを求め得ることを実証した。現在はDCBA-Tに^<150>Ndを5.6%含むNd_2O_3の薄板を崩壊ソースとして設置しニュートリノレス二重ベータ崩壊の探索を続けているが、それと併行してエネルギー分解能向上の研究を進めている。また、将来0.05eVの質量感度を持ったDCBAを実現するために、限られた磁場空間に約600kgあるいはそれ以上の濃縮された^<150>Ndや^<82>Seを設置できるドリフトチェンバーのデザインを進めている。
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