研究概要 |
水素結合により形成され,カゴ状フレームを構成する多数のホスト分子H_2Oとそのカゴの中に入るゲスト分子メタン(CH_4)により作られる氷状のメタンハイドレートは,海底下に大量の存在が確認されているため,将来の有望なエネルギー源として重要視されている。 本研究課題では,主としてメタンハイドレートの弾性的性質(音速,弾性定数,圧縮率,密度)決定のために,その単結晶を高圧ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)中で目視観察により成長させることに,世界で初めて成功した。そして,メタンハイドレートの構造安定性を調べるため,目視下で圧力を増大し,各種の相転移を観測し,さらにその場でのラマン散乱スペクトルの測定結果を圧力誘起の相転移と関連づけて明らかにした。 さらに,その単結晶を用いて,本研究室が開発した独自の高圧ブリルアン散乱法により,メタンハイドレートの音速と弾性定数の決定に成功した。これは,今後のガスハイドレート開発の実用化に貴重なデータを提供するものと期待される。
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