研究課題/領域番号 |
13440109
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 英典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40187935)
|
研究分担者 |
笹川 崇男 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (30332597)
花栗 哲郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40251326)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
|
キーワード | モット絶縁体 / 半導体物理 / 微小ドーピング / ナノスケール電子状態 / 電荷秩序 / 電界効果トランジスタ / ペロブスカイトトランジスタ / 電荷効果トランジスタ / モット半導体 / キャリアドーピグ / Ca_<2-x>Na_xCuO_2Cl_2 / 電界効果型トランジスタ(FET) / SrTiO_3 / 強相関エレクトロニクス / 強相関半導体 / ドーピング / Ca_2CuO_2Cl_2 / ケミカルポテンシャルシフト / 磁性-誘電結合 |
研究概要 |
本研究の目標はモット絶縁体の半導体物理とも言うべき分野を切り拓くことにある。その柱の一つは、ドーピングの物理であった。微小ドープモット半導体の典型例としてCa_<2-x>Na_xCuO_2Cl_2に着目し,1年目にナノスケールの電子の自己組織化の兆候を見出し、さらにその詳細を追求した。その結果が最終年度におけるチェッカーボード型の電荷秩序(電子固体)パターンの発見として結実した。この電荷秩序の存在は、ドープされたモット絶縁体としての高温超伝導体の諸問題、例えば大きな擬ギャップの起源、に直接答えるものである。これと並行する形で、強磁性寸前の強相関金属においてドーパントの周囲でのナノスケール電子状態変化が観測され、局所的軌道状態などの物理に迫ることができた。これらの結果はモット絶縁体の不純物物理を構築するための大きなブレークスルーであると自負している。さらに大きく発展させたい。 もう一方の柱はエキゾチック半導体を用いたデバイス、特に電界効果型トランジスタ(FET)、を実際に作製することであった。研究スタート一年後に、米国でのデータ捏造事件の発生によって、内外の研究の現状の認識が大きく後退した。酸化物を用いたデバイスを構築が酸化物(強相関)エレクトロニクスの基盤技術として強く要請されることとなった。ペロブスカイト型SrTiO_3において、スレショルド電圧の存在、ドレイン電流の飽和、キャパシタンスの変化などを伴う明確なFET特性を示すデバイスを構築することに世界で初めて成功した。さらにKTaO_3ペロブスカイトへと展開し、アモルファスシリコンFETに迫る高い移動度を有するデバイスの構築に成功した。これらのデバイスを用いて2Kの低温において界面に金属状態を形成することに成功した。さらに低温で超伝導の発現に期待すると同時に、エキゾチックペロブスカイトへ展開するだけの技術が完成された。
|