研究分担者 |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
余田 成男 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30167027)
石岡 圭一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90292804)
林 祥介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20180979)
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2001年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
回転球面上における流体運動は,領域のコンパクト性および回転効果の緯度依存性(いわゆるベータ効果)のために,平面上の流体運動には見られない流れ形態の形成現象を示し,地球惑星科学における大気や海洋の運動の基礎的性格と強く結びついている。本研究では,このような回転球面上において,主として乱流初期条件のもとに見られる流れの形態形成と,それに関連する流体力学的問題および数値解析的問題を扱った.まず,海洋を念頭に置き,球面上で円形の境界をもつ領域内での2次元乱流運動を数値的に調べ,剛体境界が赤道と一致する場合(南半球)には,乱流初期条件から西風周極流が形成されることを見出した.これは,球面全領域の場合に東風周極流が形成されることと対照的であり興味深い.これらの周極流の形成は,Rossby波と帯状流の相互作用によってもたらされるが,この非線形相互作用の機構を,弱非線形相互作用の枠組みで扱い,形成されるジェットの東西非対称性に関する特性を,理論的および数値解析的に扱った.境界が子午線と一致する半球領域の場合には,強制風のもとで西岸強化流が見られるが,強制風の強さをパラメータとするときの西岸強化流の不安定性について,Hopf型不安定性に伴う超臨界分岐の存在を見出し,その不安定性の中心の位置と大規模渦の関連を調べた.さらに,地球大気運動の重要な要素の一つである水の相転移に関連する運動について,湿潤対流の形態形成について,積雲対流活動と循環場の関連に着目し,活発な降水域の影響を調べた.またこれらの研究の遂行に必要な関連する数値コードの整備を行い,いくつかの新しいスペクトル法を提案・実行するとともに,乱流に関わる流体方程式の解の性質についても調べた.
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