研究課題/領域番号 |
13440127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
武田 京三郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40277851)
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研究分担者 |
白石 賢二 筑波大学, 物理学系, 助教授 (20334039)
三原 久和 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30183966)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | タンパク質ナノチューブ / タンパク質ナノリング / 数理構造解析 / 非経験的分子軌道理論 / D, L交互アミノ酸リング / L体アミノ酸5残基リング / 電子構造 / 分子構造 / 生体高分子 / 電子状態 / 高分子合成 / ペプチドナノリング / 蛋白質ナノチューブ / 第一原理電子論 / 環状ペプチド / Fmoc固相合成 / AFM観察 / ワイドバンドギャップ半導体 / 骨格構造の数理 / 分子構造と電子構造 |
研究概要 |
本研究では20種類のアミノ酸連鎖から成るペプチドナノリング(PNR)やその積層構造であるペプチドナノチューブ(PNT)の分子設計を目的に、安定分子構造や電子状態の解明を試みた。特にペプチドナノリングやナノチューブの持つ構造多様性に注目し、構成アミノ酸の種類や数の相違が分子構造や電子状態に与える影響について理論計算に基づく詳細な議論を行った。さらに実際に数種のペプチドナノチューブの合成と分子形状観察を試み、構成アミノ酸の数の相違が自己組織化形状に与える影響についての検討を行った。 新規高分子骨格の理論提案を行うため、外部パラメータ(ピッチ、螺旋並進、半径)と内部パラメータ(結合長、結合角、内部回転角)を用いて、周期高分子骨格構造の数理探索の定式化を行った。D-Lペプチドでは6残基以上の偶数残基リングが数理的に構築可能である事に加えて、基本的に螺旋を形成するホモLペプチドでも、その右巻きと左巻きの境界にこれまで知られていない新奇5残基リングが存在する可能性を理論予測した。さらに非経験的分子軌道計算を実行することによりこれらのPNRの占有軌道最上端(HOMO)と空軌道最下端(LUMO)はリング面内の骨格π軌道によって形成されること、Gly以外のアミノ酸修飾では各アミノ酸側鎖に局在した電子状態が骨格(Gly)の電子構造に挿入され、20種類のアミノ酸修飾によって得られる電子構造は大きく3種類に分類されることを初めて見出した。 これらの理論研究を踏まえて6残基及び8残基D-Lペプチドナノチューブの合成を試み、質量分析により同定し、さらに原子間力顕微鏡(AFM)によりその分子形状観察が行った。その結果、これまで報告されていないペプチドナノチューブの単一分子像を得るばかりでなく、これらのペプチドナノチューブは単一チューブのみならずバンドル構造をも形成することを見出した。同様にホモL5残基ペプチドナノチューブの合成にも成功し、その湾曲形状がエネルギー安定化の為の5回軸対称崩壊に基づくことを理論的に明らかにした。
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