研究分担者 |
中原 恒 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20302078)
田中 聡 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60281961)
佐藤 春夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80225987)
中村 綾子 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70312543)
山本 英和 岩手大学, 工学部, 助教授 (00250639)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
本研究では,地震発生場の準備・発生・余効過程を力学的に理解するために,断層周辺の地殻構造の時空間的な変化を,1998年9月3日に岩手山の南西部で発生したM6.1の地震を対象として,人工地震実験及び自然地震観測により得られた地震波形記録の解析から推定した.2001年から2003年に繰り返し実施された人工地震実験により励起された地震波にクロススペクトル法を適用し,地震発生から約6年間の断層周辺域の地震波速度の変化量を推定した.その結果,1998年の岩手山南部地震の発生直前直後に最大1.5%低下した地震波速度が2002年までの約4年間でその半分の約0.7%に回復していることが明らかとなった.また,2002年から2003年にかけては,再び約0.2%の地震波速度が低下したことが断層近傍の観測点で検知された.これは2003年6月に発生した秋田駒ヶ岳及び岩手山の活動による影響であると推察された.1995年から2001年に太平洋プレートの沈み込み帯で発生する相似地震を繰り返し同じ振動を励起する地震源とし,東北地域に展開されている東北大学地震・噴火予知観測センターの定常地震観測網の波形記録を解析した.観測期間の異なる時期に発生した2つの相似地震の相関係数を調べた結果,岩手山近傍の複数の観測点で,0.9以上を示していた相関係数が,M6.1の地震発生前後と岩手火山活動が活発であった1998年頃に,0.6-0.9という小さい値をとることがわかった.断層や火山から遠い観測点では,相関係数は常に0.95前後を示していることから,この相関係数の低下は,地震・火山活動に伴い,浅部地殻構造が微妙に変化していると推定された.
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