研究課題/領域番号 |
13440134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 秀実 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (40236625)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | 岩石-流体反応 / フリーラジカル反応 / BET法 / pH / 石英 / 破壊実験 |
研究概要 |
本研究課題では、ラジカル反応の定量的測定を実施可能にする実験枠組みの確立と常温ラジカル反応の素過程の解析を主要なテーマとして実施した。本研究課題における研究技術の進展は以下の通りである。(1)破壊実験に振揺型に加え回転型を導入した。この結果、破壊による表面積生成効率は10倍以上改善された。(2)高密封精度のグローブボックスを導入した結果、気体雰囲気制御が可能となり、大気中のCO_2、その他のガスの影響を排除不可能であった実験が可能となった。(3)振揺型の容器をアルミナセラミクスの切削加工によって作成した。この結果、高温破壊実験への展望が開けた。 以上のような実験系の高精度化および拡張の結果、次のことが明らかになった。(1)常温下における完全アルゴン雰囲気下では、純水-石英の系での水素ガスの発生量は生成された表面積と比例している。また、主要な造岩鉱物として、カリ長石、黒雲母、白雲母でも同様の関係が見られた。(2)同条件下の長石類の破壊実験では、水素ガスについてのみ石英と同様であるが、イオンは長石中のアルカリ金属元素により、pH>7.0となっている。(3)イオン強度を制御してpHを安定させた実験では、pHが低い溶液ほど水素ガスの発生量が低下している。(4)天然の断層系での既存のデータの解析の結果、水素ガスの濃集はdamaged zoneで見られた。Slip面近傍では、back groundと同じレベルであった。これまでの実験結果で、憂慮されていた不確定パラメータが確定されたことから、実際に天然の断層帯に分布する花崗岩類および泥質岩類を使用して、昇温を伴う破壊実験に取り組める基盤を確立したと考えられる。また、天然における観測も視野に入れた研究の基盤も整えられつつある。
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