配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2001年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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研究概要 |
本研究は,能動型および受動型のリモートセンシング手法を組み合わせた地上観測により,氷晶雲の雲物理特性と放射特性を抽出して,氷晶雲の放射収支効果を定量化することを目的とする.あわせて,雲レーダやライダ等の能動型センサによる氷晶雲の観測法を開発し,将来計画されている能動型センサを搭載した人工衛星による雲観測の有効性の検証に寄与する. 永晶雲に対する太陽放射および赤外放射の伝達計算スキームを開発し,既存の観測データに適用して混合層雲や中緯度巻層雲の構造と放射特性との関係を明らかにした.また,受動型・能動型の複合センサによる観測から,雲粒と氷粒子を含む混合層雲の微物理特性を導出する手法を開発するためのシミュレーション計算を行い,2周波(35GHz,95GHz)の雲レーダを用いることにより,微物理特性の推定が可能であることを示した.さらに,三次元不均質大気の放射伝達方程式の準解析的な解法を開発し,不均質な雲構造と放射特性との関係を調べた. 能動型リモートセンシングに関しては,雲レーダとライダによる複合観測データから氷晶雲,水雲およびエアロゾルの微物理特性を導出するアルゴリズムを開発し,数値実験による誤差評価を行なった.さらに,観測船「みらい」よる観測データに適用して,アルゴリズムの有効性を確認するとともに,さまざまの雲の特性を明らかにした.一例として,ドップラー機能がある雲レーダを用いると,雲粒子の落下速度の計測が可能になり,この落下速度とライダ観測から抽出される粒子半径との関係を導くことができた.その結果,氷粒子の落下速度は1ms^<-1>以下で,粒子半径が大きくなってもあまり大きくはならないこと,降水を伴わない水雲は,弱い上昇速度を示すがほぼ0ms^<-1>であること,霧雨は,氷粒子に比較して同じ粒子半径でも2倍程度大きい落下速度を示すこと,などが判明した. 本研究で得られた成果は,氷晶を含む雲の観測法の改善や気候モデル等における雲・放射のスキームの改良に役立つものと期待される.
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