研究課題/領域番号 |
13440170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 (2003) 東北大学 (2001-2002) |
研究代表者 |
高橋 正彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80241579)
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研究分担者 |
渡辺 昇 岡崎国立共同研究機構, 助手 (90312660)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 電子運動量分光 / 波動関数形 / 配向分子 / 三重同時計測 / axial recoil / コンプトン散乱 / 波動関数 / コインシデンス / 電子衝撃イオン化 / (e,2e) / 同時計測法 / 角度相関 / (e, 2e) / 画像観測 |
研究概要 |
光電効果とコンプトン効果は、光子のみならず種々のprojectileと物質との相互作用を記述する重要な概念である。これら二つの効果は物理的性質が互いに大きく異なるので、物質の電子構造の違う側面や異質の散乱立体ダイナミクスを我々に見せてくれるはずである。しかし、光電子分米に代表されるように光電効果が物質の構造や電子状態の理解に大きな貢献をしてきているのに対し、コンプトン効果の分子科学への定量的な応用は極めて少ない。 我々は、本科学研究費補助金により、コンプトン効果の分子科学への定量的応用を目指した配向分子の電子運動量分光装置を世界に先駆けて開発した。すなわち、気相二原子分子の高速電子衝撃イオン化により生成する非弾性散乱電子、電離電子、解離イオンの3つの荷電粒子間のベクトル相関を測定し、生成イオン分子のaxial recoil解離を利用して空間的に配向した二原子分子のコンプトン散乱実験と同等の情報を得る。さらに、本装置を用いて、単純分子のコンプトン散乱立体ダイナミクスの測定と分子軌道毎の電子運動量分布(運動量空間波動関数の二乗)の分子座標系での観測を世界に先駆けて行った。 この研究は物質の性質を支配する波動関数形の実験的アプローチの嚆矢であり、理論計算を通じてのみしか窺い知ることのできない現状を鑑みれば、本研究のさらなる展開は、電子軌道理論の発展を促すに止まらず化学結合や化学反応に対する理解にまで質的変化をもたらすなど、分子科学研究のブレークスルーの一つとなる可能性を持つ。
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