配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
SMILESプロジェクトの一環として実施したBrOラジカルの衝突幅及びそれらの温度依存性はJet Propulsion Labortoryグループ(Drouin)と共著論文として公表した。地球上層大気中オゾンはOdin、SMILESおよびEOS-MLSにおいてモニターされる予定になっている。われわれは、O_3のサブミリ波遷移の圧力幅及びその温度係数を精密に決定した。現在論文を準備中である。 最近、protostellar coreあるいはpre-stellar core等の極低温分子雲中でD_2CO, D_2S, CD_3OH, CD_2HOHなどの多重重水素化分子が次々と発見されている。星間雲中での重水素化にはH_3+の重水素化分子である、H_2D+あるいはD_2H+が重要な役割を果たしていると考えられる。D_2H+はそれ自体多重重水素化分子であると同時に他の分子の多重重水素化に重要な分子である。最近のRoberts, Herbst, Millarによる星間化学モデルによるとD_2H+はH_2D+が発見された、冷たいPre-Stellar coreではH_2D+と同程度の濃度で存在することが予想される。本研究において実験室においてD_2H+の最低回転状態の遷移周波数を精密に決定するのに成功し、直ちにAstro physical Journalに公表した。われわれの測定結果に基づき天体観測が行なわれ(Vastel, Phillips)H_2D+とおなじ天体で発見された。長年懸案であった、NCSラジカルの変角振動励起状態におけるRenner-Teller効果の解析を進めその問題点が明確になった。分子定数の精度はほぼ実験制度の程度まで向上した。 カナダWaterloo大学との共同研究は前年度に引き続き実施され、Waterloo大学のフーリエ変換可視・赤外分光器を用い、C_2のSwanバンドシステムの大規模解析を行ない、従来あまり明確でなかった、摂動を同定し、電子状態間の相互作用に関する知見を得た。さらに、C_3の0-0バンドのスペクトルを測定し、摂動によって誘起された遷移の帰属を明らかにした。これらの結果は論文として公表すべく準備中である。
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