研究課題/領域番号 |
13440173
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
西川 恵子 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60080470)
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研究分担者 |
森田 剛 東京農工大学, 工学部, 助手 (80332633)
齋藤 健一 (斎藤 健一) 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80302579)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
17,300千円 (直接経費: 17,300千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
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キーワード | 超臨界流体 / 超臨界流体溶液 / ゆらぎ / 小角X線散乱 / ラマン散乱 / 動的光散乱 / 活性領域 / 膨潤 / テラヘルツ電磁波 |
研究概要 |
超臨界状態は、分子分布の非常に不均一な状態として特徴づけられる。この構造の特徴は、「大きなゆらぎ」、「様々なサイズのクラスターの生成」あるいは「局所密度の増加」など、研究者により、また測定手段により、あるいは観測スケールの違いにより様々な言葉で表現されている。そして、この分子分布の不均一さが超臨界流体の特異な物性と密接に関係していることが明らかになりつつある。我々の過去の成果も含め、本プロジェクト研究で明らかにしてきたことは以下に纏められる。 1)密度ゆらぎの等高線をp-T相図に描くと、気液曲線を延長する形で尾根線が存在する。尾根線は、臨界点を除いて臨界等密度線とは一致せず、臨界点から離れるに従いそのずれは大きくなる。 2)尾根線上で、Gibbsの2次の微分量に関連した物理量は極値をとる。例えば、比熱、等温圧縮率、部分モル体積、音速、熱伝導率などの例を挙げることができる。 3)溶解度の変化率は、尾根線上で最大になる。すなわち尾根線を境として非常に溶解度の大きな領域と溶解度の小さな領域に分かれる。 4)超臨界流体を媒体として反応を行った場合、反応の特異点は尾根線上にある。 5)密度ゆらぎをそのまま相関距離に置き換えても1)〜4)が成り立つ。 6)水素結合系を除いて、上記の現象には対応状態の原理が適用できる。 7)動的光散乱実験により密度ゆらぎの動的挙動の情報が加わった。動的挙動においても対応状態の原理が成立している。 8)超臨界流体中の高分子の膨潤現象もゆらぎが密接に関連している。 上記のように、超臨界流体における「ゆらぎ」の普遍性・重要性を明らかにした。超臨界流体の性質を論じる、あるいは実際に利用する際、「ゆらぎ」は最も重要なパラメータである。相図上に「ゆらぎ」をパラメータとして簡便に地図を描ける装置を製作し、「超臨界流体の活性領域探索方法と装置」も製作した。
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