配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
赤外アレイ検出器InSb 256x256を約35Kに冷却したデュワー内に設置して,データ読み出しはCOGITO3システムを利用して行った.すなわち,ワークステーションで読み出し用クロックパルス波形を作成し,COGITO3を通してアレイ検出器に送った.またバイアス電圧を自作の装置により発生した.各素子からのデータはAD変換器によりデジタルデータとして,ワークステーションに送られ,画像ソフトIRAFにより解析を行うことができるようになった.テストとして放電による赤外発光を入射し,検出器系が正常に動作していることを確認した.この検出器を波長範囲1-5μmの測定が可能な回折格子型分光システムと結合した. レーザー励起スペクトルを観測するために,中間赤外半導体レーザーの調整を行った.鉛塩系の旧来の赤外線レーザーを12-77Kの低温下で発振させ,波長4.5-5μm,16μm領域が測定可能になった.本来の励起スペクトルの観測のためには,出力が不十分だったので,長光路セルと組み合わせて,高感度な吸収分光に適用した.すなわち波長4.6μmで,大気中から採取したNNOの同位体種^<15>NNO, N^<15>NOのスペクトル強度を同時に測定し,採取した場所による存在量の違いを決定する実験を行った.大気中のNNOは生物(バクテリア)起源と燃焼反応起源が考えられていて,質量分析器での測定が報告されているが,レーザー分光法では直接測定できるのが利点である. 本来のレーザー励起用の光源としては,量子カスケード(QC)レーザーが高出力が得られるので本研究に最適である.浜松ホトニクス社で製作したQCレーザーの性能評価を行った.パルスでしかも多モードが同時に発振していたが,本来の目的の励起スペクトル観測に十分の出力が得られていることを確認し,励起スペクトル測定への応用を行っている.
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