研究課題/領域番号 |
13440184
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70202132)
|
研究分担者 |
辻 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029482)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
|
キーワード | 応答性分子 / 分子素子 / エレクトロクロミズム / キロオプティクス / 酸化還元系 / 円二色性 / 色素 / 電気化学 / 酸化還元素 / 分子不斉 / ビナフチル / ヘリセン / テトラシアノキノジメタン |
研究概要 |
多重出力型分子応答系の構築を目指した本研究課題の目的は、電気化学的入力に対して、UV-Vis及びCD(円2色性)という2つのスペクトル出力が得られるエレクトロキロオプティカル(ECO)応答系の構築である。この研究を通じて、単に例の少ない応答系の成功例を増やすばかりではなく、どのような酸化還元対が有効なECO系になり得るのかという分子設計指針が得られたものと確信する。ECO系構築における問題点の1つは、他の応答系の場合と同様、如何にして双安定性を獲得するかという点である。これについては、代表者のこれまでの成果をもとに、「動的酸化還元挙動」を利用すること容易にクリアすることができた。一方、ECO系に特有の問題点としては、如何にして大きなキロオプティカル出力を発生させるかという点がある。即ち、通常の酸化還元対にキラルな置換基を結合させるだけでは、有効なECO系は構築不可能なのである。ここではヘリカルな構造を有するπ電子系を利用すること、また、同一のクロモフォアを2つ組み込み、その間でエキシトンカップリングを起こさせること、という手法を採用することで、非常に大きなCD出力を得ることに成功している。更に、UV-Vis及びCD出力の検出が長波長領域でも可能な化合物の探求、並びに、ECO以外の多重出力型応答系の構築へも研究を展開することができた。後者に関しては特に、高感度検出の可能な蛍光スペクトル出力型分子を合成することで、電気化学的入力に対し、UV-Vis及び蛍光を出力とする、エレクトロフルオリック応答系の構築に成功した。この結果を基に、UV-Vis、CD、蛍光という3つの出力を与える応答系への道も開かれた。
|