配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
今年度はLIESST錯体の起こる機構の解明と、液晶性でスピンクロスオーバーを示す錯体、LIESST錯体、包摂認識によるスピンクロスオーバー錯体の合成を目指した。 1.[Fe(pap)_2]ClO_4(1),[Fe(pap)_2]BF_4(2),[Fe(pap)_2]PF_6(3),[Fe(4Me-pap)_2]ClO_4(4),[Fe_<0.5>Al_<0.5>(pap)_2]ClO_4(5),[Fe_<0.25>Al_<0.75>(pap)_2]ClO_4(6)を合成し、光磁気特性を検討した。1,2,3,6は、スピン転移を示し、LIESST現象も観測された。T_<1/2>とT_<LIESST>には、T_<LIESST>=-0.4T_<1/2>+185という関係があった。また、協同効果を表すパラメーターとしてC=Γ/2RT_<1/2>(Γ:分子間相互作用パラメーター)を定義し、協同効果とスピン転移挙動、LIESST挙動の相関について考察した。 2.[Fe(C16-3)_2(NCS)_2](7)と液晶転移により誘起されスピン転移する化合物[Fe(C16-terpy)_2](BF_4)_2(8)を創生することに成功した。7,8は液晶性を示す事が明らかになった。さらに5KでLIESST現象が観測された。8は液晶転移温度付近(470K)で液晶転移とスピンクロスオーバー現象がほぼ同時に起こった。 3.錯体[Co(pyterpy)Cl_2]・MeOH(9)と[Co(pyterpy)Cl_2]・2H_2O(10)を得た。錯体10は、空孔にH_2O二分子が入ったと考えられる。9は高スピン錯体で、10は、2Kのヒステリシスを伴う急激なスピン転移が観測された。ゲスト分子により磁気挙動が変化する、ゲスト分子依存型Co(II)スピン転移錯体の構築に成功した。
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