配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
アミノ酸,ペプチド,ポリピリジンなどを含む金属錯体を合成し,それらの構造とヌクレオチド、グルコースオキシダーゼ(GOx)などの生体関連分子との反応性,自己集合による超分子の形成を明らかにした. (1)機能単位となる錯体のうち,側鎖に官能基を有するアミノ酸Aと1,10-フェナントロリン(phen)などの芳香族ジイミン(DA)とを含むPt(II)錯体[Pt(A)(DA)]を各種合成した。ペプチド錯体としてメチオニルグリシン,アルギニルグリシンとphenから成るPt(II)錯体,グリシルグリシンPt(II)錯体をピラジンで架橋した複核錯体などを合成した。ペプチドPt(II)錯体の報告例は少なく,これらはいずれも新規物質である.しかし,難溶性のため相互作用の研究には利用出来ないものが多かった.また,他に試みた複核錯体の合成は困難であった. (2)アミノ酸含有Pt(II)錯体とAMP, GMPなどとの会合体の安定度定数を決定し,複数部位での分子間相互作用の様式と分子認識能を明らかにした.また,錯体との会合により補酵素FMNの酸化還元能が変化した. (3)グリシルチロシンと芳香族配位子から成るCu(II)錯体について構造の解析を行い,分子内でのCH-π相互作用の存在を明らかにすると共に,水溶液中でのCH-π相互作用の存在とこれによる錯体の安定化を示した. (4)Os(II)錯体とGOxとの電子移動反応を調べ,錯体構造とGOxとの相互作用様式について知見を得た.これより,用いたOs錯体がメディエータとしてGOxによる血糖値の測定に優れた機能を持つことを明らかにした.また,H_2O_2存在下,Ru(II)錯体が光照射によりDNAを切断することを明らかにした。 (5)EDTA誘導体L, phen, Cu(II),金属イオンMを含む溶液から、[M(phen)_3]_2[Cu_2L_2](M-Fe(II),Co(II),Ru(II))が結晶として単離され,異なった錯体がπ-π,CH-π相互作用で自己集合した超分子であることが判明した.
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