研究課題/領域番号 |
13440204
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福村 裕史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50208980)
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研究分担者 |
畑中 耕治 (畑中 耕冶) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90312545)
HOBLEY Jonathan 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40332499)
西尾 悟 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40252340)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 固液界面 / 自己凝集単分子膜 / 微弱光観測 / 自己擬集単分子膜 / インジウム-スズ酸化物 |
研究概要 |
インジウム錫酸化物基板上にさまざまの分子を吸着させ、トンネル電子励起による発光測定を試みた。その結果、トンネル電流に比例して増大する極微弱発光が観測されたが、この発光スペクトルは吸着分子の種類に依存せず、基板材料内部の欠陥に由来するものと考えられた。発光の量子収率は100億分の1のオーダーであった。基板側の極性が負のときには、発光強度は吸着分子の種類によって変化し、最低空分子軌道が低い分子ほど、低電圧で強い発光が観測されることが明らかとなった。また、トンネル電流の電圧依存性も、発光強度と同様に吸着分子に依存した。基板側極性が正のときには、このような発光強度の電圧依存性は観測されなかった。これらの結果に基づいて、インジウム錫酸化物基板の価電子帯から吸着分子の最低空分子軌道を通してトンネルプローブに電子が流れるというモデルを提案した。このようにして生じた価電子帯の正孔と電子が再結合することによって発光が観測されたものと推定した。 また、グラファイト基板上に長鎖アルキル基を有するさまざまの分子を溶液から吸着させて、固液界面に生成する自己凝集単分子膜の構造を観測した。光誘起電荷移動を起こすことで知られるピレン基とジメチルアニリノ基を同一分子内に含む分子では、二つのピレン環がジメチルアニリノ基を挟んだ特異的構造を有する凝集体の生成が観測された。電子基底状態においても部分的電荷移動相互作用が寄与している可能性が示された。さらに、三重結合を含む分子においては連鎖的重合が溶液内でも起こることを確認した。このとき、さまざまの分子を溶液内に共存させることで、重合反応の長さが変化することが見出した。特にヨウ素は長さの制御に最適であり、数ナノメートルから数10ナノメートルの直鎖上構造体を固液界面につくることに成功した。
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