研究課題/領域番号 |
13440206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
泉岡 明 茨城大学, 理学部, 教授 (90193367)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 磁性 / ESR / ラジカル / 磁性金属 / スピン分極ドナー / 金ナノ粒子 / ニトロキシド / 超共役 / ドナー / 交差共役 / 強磁性 / 有機磁性金属 |
研究概要 |
本研究は、有機強磁性金属の構築及び、金属ナノ粒子にスピン分極ドナー分子を吸着させ有機・無機複合体に磁性を付与することを目的として、交差共役型及び超共役型のニトロキシド系スピン分極ドナーの合成及びそれらにより修飾された金ナノ粒子の磁気的相互作用を検討した。 4nmの粒径をもつ金ナノ粒子に種々のスピン分極ドナーを化学吸着させ、固体状態でESR測定をおこなったところ、配位子の種類により線幅が30〜1.5mTの範囲で変化した。線幅は主にスピン-スピン緩和時間と相関があるが、いずれもニトロキシド系ラジカルで同様の電子状態を有すること、及び吸着したラジカル分子間距離はラジカルの種類により大きく変化しないことから、線幅の違いは空間を通じたスピン-スピン緩和機構のみでは説明できないことがわかった。金原子に直接接触している各ラジカル配位子の硫黄原子上のスピン電子密度を分子軌道計算により見積もったところ、それらの値の平方根と線幅との間には直線的な相関が見られた。これらの結果より、ESRスペクトルにおいて異常に大きな線幅を与えた原因として、吸着ラジカルスピン間が金ナノ粒子の伝導電子を介して相互作用することに由来していることが考えられる。金ナノ粒子内におけるラジカル間の磁気的相互作用は常磁性的であったが、今後、スピンをもたない類似配位子を同時に混入させる等の手法を用いて吸着サイトの格子間距離を制御することにより、超常磁性や強磁性の磁性発現が大いに期待できることが明らかとなった。
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