研究課題/領域番号 |
13440208
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
針谷 喜久雄 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (00357823)
高井 和之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80334514)
福井 賢一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60262143)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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キーワード | ナノグラファイト / エッジ状態 / 分子磁性体 / ダイヤモンドライクカーボン / 電子波干渉効果 / トンネル顕微鏡 / ナノダイヤモンド / sp^2 / sp^3混合炭素 / 磁気モーメント / ホスト-ゲスト相互作用 / 磁気抵抗 / 反強磁性 / ハバードモデル |
研究概要 |
1.1600℃の温度でHOPGを加熱処理してできる種々の大きさと形状のナノグラフェンの観察をトンネル顕微鏡を用いておこなった。この中で、電子波の干渉効果による縞模様が観測された。基板から傾いて置かれたナノグラフェンにおいては、傾き方向に長周期縞模様の周期が連続的に変化し、サイズの小さなナノグラフェンを縞模様の生じたナノグラフェン上に置くことにより大き<、縞模様パターが変化することが観測された。kp摂動法を用いて、理論解析を行い長周期パターンにグラファイトの電子構造が大きく反映されることが明らかとなった。また、熱処理により生じたナノグラファイトのディスロケーションにピン止めされた格子不整合にバイアスに依存して、コルゲーションの反転が観測された。 2.レーザーアブレーション法により作成したsp^2/sp^3混合炭素系の電子構造と磁性の解明をおこなった。作成したままの試料では、sp^2、sp^3炭素は原子レベルでの無秩序性を持ち、液体炭素の凍結状態に類似した構造をとることが明らかとなった。この状態は平衡から大きくずれた状態であり、僅かな熱処理によりナノグラファイトがsp^3ボンドにより結合したランダムネットワーク構造へと変化し、約800℃での熱処理によりアンダーソン絶縁体から無秩序金属状態へと変化することが明らかとなった。また、熱起電力の実験から、ナノグラファイトドメイン間では電荷の不均一性が存在し、それぞれのナノグラファイトは互いに異なる電荷に帯電していることが明らかとなった。 4.理論的に予言されているダイヤモンドとグラファイト界面でのエッジ状態による特異な磁性発現を実験的に明らかにするため、ナノダイヤモンドの熱処理によるナノグラファイトへの転移とそれによる磁性変化の解明をおこなった。種々の熱処理時間により、磁性の変化が観測され、現在解析を進めている。
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