研究課題/領域番号 |
13440243
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
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研究分担者 |
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50271101)
土井 道生 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (00167537)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 気孔 / プロトンポンプ / 孔辺細胞 / 14-3-3蛋白質 / リン酸化 / 脱リン酸化 / アブシジン酸 / 青色光反応 / ABA / フォトトロピン |
研究概要 |
孔辺細胞の青色光情報伝達にタンパク質のリン酸化、脱リン酸化が関与する多くの証拠がある。一方、植物ホルモンアブシジン酸(ABA)はこの青色光による細胞膜H^+-ATPaseの活性化を阻害する事を既に報告している。これらの問題を追求し、青色光受容体フォトトロピンが自己リン酸化され、それに応じて14-3-3蛋白質が結合する事、ABAがこの青色光情報伝達を阻害し、細胞膜H^+-ATPaseのリン酸化を阻害することにより活性化を抑制する事を見出した。また、この過程に中間情報伝達体としてH_2O_2が関与する事を見出したので、あわせて報告する。 1)青色光受容体フォトトロピンが自己リン酸化されると、それに応じて、14-3-3蛋白質が結合した。この14-3-3蛋白質はフォトトロピンのLOV1とLOV2の間のリン酸化セリンに結合した。 2)ABAの青色光依存のプロトンの放出阻害の原因として細胞膜H^+-ATPaseの加水分解活性の阻害を見い出した。同一条件で細胞膜H^+-ATPaseのリン酸化レベルを測定するとABAにより大きく阻害され、それにより細胞膜H^+-ATPaseの阻害が説明できる。 3)ABAのかわりにH_2O_2を添加すると、プロトン放出、リン酸化レベルが同じ程度阻害され、ABA(10μM)による阻害は、外から加えた1mMのH_2O_2と同程度であった。以上の結果からABAは細胞内にH_2O_2を生成し、リン酸化を阻害することにより細胞膜H^+-ATPaseの活性化を阻害すると結論した。 4)H_2O_2を単離細胞膜H^+-ATPaseに添加したが全く作用しなかった。この事は、H_2O_2が細胞内の情報伝達体に作用していることを示している。
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