配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
(1)子宮内膜細胞における成長因子の発現 マウス子宮内膜における成長因子の発現を調べた.インスリン様成長因子I(IGF-I),上皮成長因子(EGF),トランスフォーミング成長因子α(TFG-α),トランスフォーミング成長因子β1,β2,β3(TFG-β1,-β2,-β3)およびサイトカインとしてインターロイキン18(IL-18)の各mRNAの発現が認められた.発情ホルモン投与により,子宮内膜間質細胞においてはIGF-I, TGF-α,TGF-β2 mRNA発現量が増加し,IGF-IおよびTGF-β2の転写が促進されることが示唆された.また,黄体ホルモン投与によりTGF-β1およびTGF-β3 mRNA発現量が減少し,TGF-β1およびTGF-β3遺伝子の転写が抑制されていることが示唆された. (2)子宮内膜細胞に及ぼす子宮内膜由来成長因子作用の解析 マウス子宮内膜間質細胞の細胞培養系を用いて,子宮内膜由来の成長因子の子宮内膜細胞への作用を解析した.IGF-I,上皮成長因子(EGF)およびTFG-αは,子宮内膜上皮細胞および間質細胞のDNA合成を促進した.何れの成長因子も子宮内膜で産生される成長因子であるので,これらの因子が傍分泌的に細胞増殖を促進する可能性が示唆された. 発情ホルモン受容体の発現は,発情ホルモンによりダウンレギュレイションをうける.マウス子宮内膜細胞の細胞培養系を用いて,子宮内膜由来の成長因子の発情ホルモンならびに黄体ホルモン受容体発現に及ぼす作用を解析した.発情ホルモンα,β受容体,黄体ホルモン受容体A, Bの各mRNA量を定量したところ,TFG-α投与によって,子宮内膜上皮細胞の発情ホルモンα受容体mRNA量が減少した.TFG-αが発情ホルモンα受容体の遺伝子発現の制御に関与することが示唆された. (3)子宮内膜におけるmatrix metalloproteinase (MMP)遺伝子の発現 マウス子宮では,発情期にMMP3,MMP7およびMMP9 mRNA量の増加が認められた.さらに,子宮内膜細胞の培養系によりMMP mRNAの発現を解析した.MMP3遺伝子の転写は,発情ホルモンにより,24時間で有意に低下したが,48時間では回復していた.
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