研究課題/領域番号 |
13450002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡 泰夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60013520)
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研究分担者 |
西林 一彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20361181)
富田 卓朗 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90359547)
村山 明宏 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (00333906)
高橋 昌明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80006147)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | スピン注入 / 半導体 / 磁性半導体 / 磁性体 / スピンエレクトロニクス / ナノ構造 / リソグラフィー / フォトルミネッセンス |
研究概要 |
本研究の目的は、II-VI族磁性半導体と磁性体を素材として、量子細線、量子ドット、量子井戸を組み合わせて構成する「複合ナノ構造」を作製し、この複合構造における光励起による電子スピンの輸送、注入、スピン制御を粟現させることにある。「スピン輸送」、「スピン注入」は、物質内に光や電流により電子スピンを偏極して生成させ、この電子スピン状態を保存したまま輸送し、別の場所に注入させることである。この電子スピンの制御技術は、電子のスピン状態により作動するスピントランジスターなどの将来の「スピンエレクトロニクス」の基礎要素技術として不可欠なものである。複合ナノ構造の素材としては、CdTe、CdSe、ZnTe、ZnSeなどのII-VI族半導体とMn、Coなどの磁性体、またこれらの磁性イオンを含む磁性半導体を用いた。特に磁場中の光励起により、磁性イオンを含む層にスピンを偏極させた電子正孔対を生成させ、これらの電子正孔をナノ構造の中を輸送し、他の場所にある量子井戸へ注入する手法を確立した。また複合構造における磁性体薄膜により、半導体中の電子スピンを制御することに成功した。 磁性半導体-磁性体複合ナノ構造は、分子線エピタキシー法とスパッター法を組み合わせて作製した。CdTe/Cd_<1-x>Mn_xTe系、CdSe/Cd_<1-x>Mn_xSe系、ZnSe/Zn_<1-x>Mn_xSe系の二次元量子井戸およびCo系磁性層を結合させて磁性層を含む複合量子井戸構造を作製した。また、熱電界放射型の電子線描画装置により20-100nmの量子ドット、量子細線を描画し、「ウエットエッチング法」を用いて、光学特性の劣化が少ない極微細加工を行なった。これらの磁性半導体複合ナノ構造に起きる励起子のスピンダイナミクスと、スピン緩和現象を、フェムト秒パルスレーザーを用いたポンププローブ過渡吸収分光、フォトルミネッセンス時間分解分光、ブリルアン散乱分光を行い明らかにした。
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