研究課題/領域番号 |
13450010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
干川 圭吾 信州大学, 教育学部, 教授 (10231573)
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研究分担者 |
岡野 泰則 静岡大学, 工学部, 助教授 (90204007)
大石 修治 信州大学, 工学部, 教授 (50021027)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | CZシリコン結晶成長 / 高温熱化学反応 / 酸素原子挙動 / 高濃度ゲルマニウム添加 / 転位挙動 / 種子づけ界面 / ミスフィット転位 / ボロン原子拡散 / シリコン結晶成長 / チョコラルスキー法 / ボロンの移動・拡散現象 / ボロン濃度分布 / 高濃度ボロン添加種子 / 結晶成長条件 / シリコン融液 / 石英るつぼ / 物質移動 / ドロップ法 / 計算解析 / その場観察 |
研究概要 |
本研究では、CZ-Si結晶成長における結晶中および融液中の不純物原子の高温熱化学反応と種子づけ界面近傍の転位挙動について、実験と数値解析にて定量的に解明することを目的とした。以下に検討課題を列挙し、代表的な結果について示す。 (1)石英るつぼからSi融液への酸素の溶解、融液中での拡散および融液表面からの蒸発現象をドロップ法により定量的に検討した。その結果、得られた石英からの酸素溶解速度は従来報告値よりも1桁以上大きなより正確な値が得られた。また、高濃度Ge添加Si融液中のGeは融液から単独で蒸発せず酸素と結合して蒸発することがわかった。 (2)高濃度Ge添加Si結晶成長におけるGeの偏析現象について検討した。その結果、(Geの偏析係数は濃度によらず約0.48であり、従来報告値の0.33とは大きく異なることを明らかにした。 (3)種子を融液に接触させた際に種子中に発生する熱ショック転位について、転位抑制効果のある高濃度B添加種子結晶を用いて接触前後の温度変化値を変えて転位挙動を調べた。その結果、種子接触時の温度変化が小さく、種子中のボロン濃度が高いほど熱ショック転位を抑制できることがわかった。 (4)種子と成長結晶の格子定数の差が大きいときに発生するミスフィット転位の抑制機構について検討した。その結果、種子と成長結晶の界面近傍に30〜50μmの幅で緩やかに変化するB濃度分布、格子定数分布が形成されていることがわかった。この分布形成機構を実験および数値計算にて解析したところ、結晶成長時の高温下で種子結晶から成長結晶側にボロン原子が拡散していることを確認した。 (5)熱ショック転位およびミスフィット転位が抑制できる種子結晶を用いて、種子づけ時の融液の温度のみを変えた条件下で結晶を育成し、種子づけ界面近傍を評価した。その結果、融液の温度が低いときに界面直下の成長結晶の形状が太くなり、成長結晶中に転位が発生した。発生した転位を「種子づけ不良転位」と命名した。
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