研究課題/領域番号 |
13450011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
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研究分担者 |
藤田 静雄 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (20135536)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 発光ダイナミクス / 有機発光材料 / 白色発光デバイス / 時間分解発光測定 / HOMO-LUMOエネルギー / 分散構造 / エネルギー緩和過程 |
研究概要 |
赤、緑、青色発光材料であるDCM、Alq、PBD(またはPPCP)を選び、これらの混合膜における光物性測定を行い、白色発光のためのエネルギー遷移に関わる光ダイナミクスを明らかにすることを目的に研究を行った。得られた結果を以下に示す。 1.PBD、Alq、DCMのHOMO-LUMO準位がタイプI型のエネルギー関係にあること、PPCPとAlqはタイプII型になることがわかった。 2.PPCP/Alq二層構造白色EL素子における発光機構を考察し、DCMのPLを用いることで設計が容易となる新規EL構造を提案した。 3.PBDにAlqとDCMを共にドープした試料において、これらの混合比に応じて白色発光が得られる。白色発光の生じる過程は、PBDからAlqおよびDCMへのエネルギー移動であり、さらにAlqからDCMへのエネルギー移動も存在することが明らかになった。これらエネルギー移動と発光過程のいくつかについて時定数を得た。 4.レーザの励起光波長をPBDとAlqの光吸収にあわせて時間分解ホトルミネセンス(PL)測定を行い、DCMからの発光過程を詳細に調べた。その結果、DCMからの発光の長波長側において励起光波長依存性が見られた。すなわち、Alqに吸収される420nmの光で励起した際には、DCMからの長波長側の発光成分が大きい。これは、Alqからエネルギーが移動したあと、より低エネルギー側に緩和して発光するためと考えられる。このことは、より赤色成分の強い発光を持つ白色発光のためには、Alqからのエネルギー移動による発光が望ましいことを示している。 5.DCMの発光については、初期の早い緩和がAlqから、後半の遅い緩和がPBDからのエネルギー移動によるものであることが明らかになった。 6.PBDからAlqへのエネルギー移動はあまり顕著ではない。PBDとAlqがともに励起された場合、各分子からの青、緑色の発光が生じるとともに、エネルギーは直接DCMに移動して赤色発光の要因となる。また、光励起ではDCMはあまり励起されない。以上のような発光ダイナミクスを得ることができた。
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