研究課題/領域番号 |
13450023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50229556)
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研究分担者 |
田中 秀和 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80294130)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 単一分子電気伝導 / 非接触原子間力顕微鏡 / 走査トンネル顕微鏡 / 点接触電流画像化原子間力顕微鏡 / 電荷移動力顕微鏡 / DNA / 単一分子電気伝導度 / 完全共役ポルフィリン / 電荷移動 / レベルシフト / スタック角度 / 電子状態アライメント / 吸着による分子変形 / フタロシアニン / 表面廃位化学 / フェニルニトリル / 減衰係数 / 表面配位化学 |
研究概要 |
ひとつひとつの分子を"見ながら"測定すること、また、電極などの界面における局所効果を直接観測することは、分子ナノデバイスの研究において極めて重要である。そこで、本研究では、走査プローブ顕微鏡(scanning probe microscopy ; SPM)の新しい測定モードを開発して、単一分子の構造と電気・電子物性について調べた。 代表的な分子として、カーボンナノチューブ、DNA、巨大ポルフィリンを取り上げ、実験、理論の両面から電気伝導性を調べた。 1.非接触原子間力顕微鏡/走査トンネル顕微鏡の同時測定法を確立した。DNAの直径方向のトンネル減衰係数として、β=1.1を得た。また基板とDNAの界面コンダクタンスがG=10^<-5>で極めて小さいことを明らかにした。これらの結果から、DNAは被覆導線のような振る舞いを示すことがわかった。 2.壊れやすい分子試料にダメージを与えず、高い分解能と充分な電気的接触を兼ね備えた方法が必要である。タッピングモード測定と、ポイントコンタクト測定をダイナミックに組み合わせた、点接触電流画像化原子間力顕微鏡を開発して、この条件を実現した。バンドルした単層カーボンナノチューブ間の接触抵抗は大きく、電流は個々のナノチューブを独立して流れること、DNAの長距離伝導は吸着水によるものであることを明らかにした。 3.絶縁体上に構築された微小導体の電子状態を測ることができる、電荷移動力顕微鏡/分光法を開発した。これを用いてテトラフェニルポルフィリンナノロッドのCTFSスペクトルを測定した。約1.7eVのギャップ構造が観測され、絶縁体上にあるナノサイズ試料でもHOMO-LUMOギャップの測定が可能であることがわかる。 実験結果と関連して、DNAの電気伝導に対する吸着変形の効果や、ポルフィリンと電極間の電荷移動が電気伝導性に及ぼす影響について理論計算を行った。
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