研究課題/領域番号 |
13450079
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
工藤 一彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40142690)
|
研究分担者 |
持田 明野 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50241352)
黒田 明慈 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90202051)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | ふく射伝熱 / 複素屈折率 / 逆問題 / ナトリウムエアロゾル / ナトリウム火災 / Mie散乱 / 数値解析 / モンテカルロ法 / 複素屈折率同定 |
研究概要 |
1.酸化ナトリウムの複素屈折率の推定値を与えて、粒度分布を有するエアロゾル群中での透過率を求めるための3次元非灰色ふく射伝熱プログラムを開発した。ここで、粒子の散乱はMie散乱とし、入射ふく射はスペクトル分布を有するものとする。また、粒子の複素屈折率の波長分布も考慮可能である。 2.このプログラムを用い、複素屈折率を色々変えて、指定された温度の黒体炉から放射されたふく射の3次元透過率分布を計算で求め、屈折率-吸収指数平面上での等透過率曲線群を求めた。この結果より、粒径分布と個数濃度が与えられたエアロゾル群中での透過実験から、このエアロゾルの屈折率と吸収指数の組み合わせを推定できることを示した。 3.対象としているナトリウムエアロゾルはほとんどが酸化ナトリウムと推定されるが、これは酸化マグネシウム、酸化チタンのような絶縁物(dielectrics)であるため、その複素屈折率は絶縁物特有の下記のような特性を有するはずである。すなわち、可視光から近赤外領域では屈折率は1より大きいほぼ一定の値を取り、また吸収指数は無視できるほど小さい値を取る。酸化マグネシウム、酸化チタンについては、複素屈折率の詳細な波長分布が文献に与えられているので、これをそのまま用いて計算した透過率と、複素屈折率の波長分布を無視(屈折率として上記の一定値を用い、吸収指数としては0を与える)した時の透過率の計算結果を比較した。この結果、複素屈折率の波長分布を無視しても透過率の誤差は数%程度であることが示された。 4.上記2の逆解析手法で、酸化ナトリウムエアロゾル群の複素屈折率同定が可能であることを示すため、マグネシウムリボンの燃焼で発生した酸化マグネシウムエアロゾルを用いたふく射透過実験を行い、上記解析結果との比較から、酸化マグネシウムの複素屈折率(m=1.7-0i)を実験的に求めることができた。
|