配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,メカニカルハンドによる物体の把持および操りにおいて,ハンドの指と物体間の滑りおよび転がりを許容し,さらにはそれらを積極的に利用することによって,高度な技能を有する多指ハンドシステムを開発することである.このために,以下の4項目の研究を行う.(1)内力の物理モデルとして「仮想トラスモデル」を用いることによって把持操りのための位置と力の動的ハイブリッド制御則を,滑りおよび転がりを許容する一般的な枠組みのもとに導出する.(2)「能動的把握および受動的把握」の概念を用いて,種々の把持形態を明確に記述し,それらの間の移行計画手法を開発する.(3)ハンドに取り付けた力センサから得られる力情報と,ビデオカメラなどから得られる位置情報に基づく「位置/力統合型技能生成アルゴリズム」を開発する.(4)「多指ハンド・アーム実験システム」を構成して,上記の技能生成アルゴリズムの有効性を実験的に検証する. 上述のような目的のもとに研究を行った結果,以下のような成果を得た. (1)多指メカニカルハンドを用いた高度把持操り作業の実現 (1.1)複数対象物に対するパワーグラスプが成立するための条件を与え、またその最適化の方法を提案した。 (1.2)重量物体のピボット操作を行うための動的制御アルゴリズムを求め、実験的に検証した。 (1.3)要求外力集合の概念に基づく対象物上の把持点の最適化の手法を提案し、数値例によってその有効性を検討した。 (1.4)カメラからの位置情報に基づく対象物の適応把持の方法を提案し、実験によって検証した。 (2)人間およびロボットの操作技能の解明 (2.1)仮想空間を用いた人間作業者の組立技能の観察のための2次元ハプティックシミュレータを開発した。また仮想世界と実世界における軸挿入作業の比較研究を行った。 (2.2)一般的な指先操作感提示のために6自由度指先装着型力覚提示装置を開発した。 (2.3)ロボット操作のためのインピーダンス知覚の概念を提案し、手先効果器への環境による拘束を知覚するための手法を与えた。
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