研究概要 |
本研究ではパラメータ推定を用いないダイナミクス解析法を提案し,その実現を行った得られた成果は以下に要約される. [1]水中ロボットアームの学習制御 1自由度および3自由度の水中ロボットアームについて,水中での学習制御の有効性を実験的に検証した.その結果,空中での学習制御で得られた結果と同様の精度で,目標値に収束できることが確認された. [2]水中ロボットアームダイナミクスの時間軸変換による解析 学習制御で得られたトルク波形に非線形の時間軸変換を行い,浮力などの流体項の分離に成功した.その結果,パラメータ推定を行わずに,流体項を時系列信号として求めることができるようになった.さらに,任意の時間での流体から受けるトルクを簡単な計算によって,既存のトルク波形から合成できることを確認した. [3]パラレルワイヤ駆動による空中での身体のトルク計測 パラレルワイヤ駆動システムによって,空中での人間の駆動トルクを推定するシステムを実現した.この結果,肘と肩のトルクを0.2[Nm]の精度で計測できることが示された. [4]パラレルワイヤ駆動における学習制御 パラレルワイヤ駆動システム学習制御について,誤差の収束性を関節角座標系と作業座標系の両方で理論的に証明し,実験によって目標軌道に手先運動が収束することを実験とシミュレーションによって確認した. [5]任意の運動での人間のトルク計測 人間に装着したパラレルワイヤ駆動システムを用いて,任意の運動パターンを学習制御によって実現した.その結果,任意の運動パターンについての関節角トルクの計測が可能となった. [6]水中での人間のトルク計測 水中で人間に装着したパラレルワイヤ駆動システムを用いることにより,水中運動時の関節角トルクを計測可能となった.また,空中と同じ運動パターンを学習制御によって達成することにより,流体から腕が受ける付加慣性,流体抗力,浮力などが時系列信号として得られた.
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