研究概要 |
(1)パルス変調誘導熱プラズマの安定維持範囲に与える各種ガス混入の影響 パルス変調誘導熱プラズマPMITPの安定維持範囲は,付加するガスの種類に大きく依存する。そこで,各種ガス(N_2,O_2,H_2,CO_2)が混入させてPMITPの安定維持範囲を測定した。その結果,試験ガスの中でCO_2が最も安定維持が困難になることがわかった。安定維持範囲の狭さは,試験ガスの消弧性能と深くかかわっており,このことからCO_2が代替消弧媒体の一候補として考えられる。 (2)熱プラズマ過渡応答に与える各種ガス混入の影響 各種ガスを混入すると熱プラズマの過渡応答か影響される。これはガスの消弧性能とも関わっていると考えられ重要である。そこで,高速時間分解スペクトル観測装置により,PMITPからのArスペクトル放射強度の時系列測定を行った。その結果,CO_2を混合させた場合に最もその放射強度波形が影響され,プラズマが低温から高温への復帰応答が最も遅くなった。 (3)Ar励起温度時間変化に及ぼす各種ガス混入の影響 熱プラズマの温度が各種ガスにより影響されるのか確認するために,二線強度比法によりAr励起温度の時間変化を測定した。その結果,CO_2を混合させた場合にAr励起温度は最も低下することが判明した。 (4)レーザー誘起プラズマの温度測定 レーザにより数千Kの高温プラズマを発生させ,その温度・密度が低下していく過程を測定により明らかにし,高温状態におけるガスの絶縁破壊耐力の測定手法を検討した。 以上の結果から,4種の環境適応ガスの中ではCO_2が最も消弧能力が高く,消弧媒体候補ガスの一つとして選定できた。
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