配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
研究概要 |
本研究は,バルク超伝導体の早期応用実現に向けた基盤技術を確立することを目指すとともに,バルク超伝導体の応用機器の有用性を検証するために計画されたものである.以下に研究成果の概要をまとめる. 1.バルク超伝導体を用いたアクティブ磁気浮上装置の特性評価 複数の電磁石を鉛直方向に配置したアクティブ磁気浮上システムを考え,各電磁石の通電電流を制御することによって,バルク体の安定浮上高さを大幅に改善することに成功した.さらに有限要素法に基づく数値解析プログラムを開発し,連続的な浮上が可能となるメカニズムを明らかにした. 2.バルク超伝導体を用いた磁気浮上搬送装置の特性評価と3次元電磁界解析手法の開発 超伝導体のピンニング効果を利用した2次元(水平)方向に自由に動くことが可能な浮上搬送装置の提案し,浮上搬送装置の実運転環境を想定した浮上力・復元力・磁気剛性の評価実験を行った.また,3次元電磁界解析プログラムを開発し,磁界の空間分布やバルク体内の電磁現象がどのように関連しているかを明らかにした.そして,開発したプログラムを用いて,浮上搬送装置の設計を試みた. 3.バルク超伝導体を二次側走行子に用いたリニアアクチュエータの試作・特性評価 着磁したバルク体を二次側走行子に適用した誘導始動型のリニア同期アクチュエータを製作し,実験および有限要素法を用いた数値解析の両面からリニア同期アクチュエータの特性を明らかにした. 4.着磁されたバルク超伝導体の交流磁界印加特性評価 交流磁界を継続して印加した場合の着磁磁界の減衰特性について,磁界測定と同時にバルク体表面温度の測定を行って評価した.そして,開発した数値シミュレーションプログラムを用いて,着磁磁界の減衰と,バルク体内の過渡的な電流・磁界の拡散現象および局所的な温度上昇との関係を考察した. 以上の成果は,バルク超伝導体応用機器の早期実現に向けて,バルク超伝導体の材料開発に有機的にフィードバックされ,機器設計の最適化にも役立つものと期待される.
|