配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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研究概要 |
本研究は,材料や処理状況によらない統一的な付着性状のモデルの構築を目指して行われた.その結果,接着界面を構成する補修補強材料,接着材料,および,既設構造物表面材料(コンクリート)の剛性,強度を考慮した,せん断付着性状の統一モデルの構築に至ることができた.モデル化の手法としては,従来のモデル化手法と全く異なる簡易であるが信頼性の高い補修補強材のひずみと荷重端での接着界面のすべり関係に基づく,局部付着-すべり関係の導出法を示した.この方法によれば,補修補強材料に多くのひずみゲージを貼付する必要はなく,また,測定されたひずみのバラツキを処理する手間も省略できる.この局部付着-すべり関係を,付着長が短い場合にも適用できるように,局部付着-すべり-補修補強材ひずみ関係に拡張した.構築した,統一せん断付着モデルは,はく離破壊エネルギーと,付着-すべり関係におけるすべり変形性を表す形状係数との2つの材料定数のみから成り立っている.はく離破壊エネルギーを求める式,統一付着モデルに基づいて導かれた,有効定着長を求める式,付着長が与えられた場合の付着強度式なども合わせて提示し,統一せん断付着モデルとともに,それらの妥当性を実験結果と比較することにより示した. また,引張付着に関しては,せん断付着と異なり,接着材料の剛性が付着強度に影響を与えないことを明らかにするとともに,せん断と引張付着の混合モード下の状態を再現する試験法の開発,混合モード下での付着強度の相関,混合モードが支配的な補修補強材料の押抜き耐力推定法を提示した.
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