配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
寒冷地においてコンクリートが下水道関連構造物,海洋構造物,あるいは酸性河川の構造物に使われた場合を想定し,コンクリートに硫酸,硫酸塩,塩化物が作用した場合の劣化とこれに凍結融解作用が加わった場合の複合劣化について,劣化形態を究明するとともにその機構解明を行った.その結果,以下の研究成果が得られた. モルタルおよびコンクリートの硫酸浸漬試験の結果,硫酸によるコンクリートの劣化は水セメント比の小さいものの方が大きいもめに比べ促進されるという,一般の傾向とは逆になることが判明した.また,硫酸によるコンクリートの劣化速度は水セメント比,硫酸濃度,硫酸浸漬期間をパラメータとした式で推定可能であることが示唆される結果を得た。 海水を対象として凍害との複合劣化試験を行った結果,複合劣化に及ぼす海水の影響は海水中の硫酸マグネシウムより塩化ナトリウムの方がずっと大きく,スケーリングによる劣化が支配的となることが明らかになった.一方,硫酸による作用と凍害との複合劣化試験を行った結果,劣化形態はやはりスケーリングが支配的となり,その際の質量減少は水セメント比が大きく,硫酸濃度が高いほど大きくなることがわかった.また,硫酸と凍結融解作用による複合劣化は,硫酸による劣化と凍結融解作用の劣化を別々に測定し,前者に凍結融解作用を受けるような低温下での劣化への影響を加味して,両者を足し合わせることにより,ある程度予測が可能であることを示した. さらに,これらの劣化によるコンクリート内部の強度分布を針貫入試験により測定した結果,針貫入試験ではコンクリート中のモルタルの強度を測定することから,コンクリートの劣化形態によってはばらつきが見られ,コンクリート強度を正確に求めることができないことがわかった.
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