配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
本研究は,次世代の高耐震性RC橋脚構造として提案されているアンボンド芯材入りRC橋脚構造(UBRC橋脚構造)の耐震性能の向上と,二段階耐震設計法への適用を目的とするものである.本研究では,アンボンド芯材を活用した高耐震性能RC構造(UBRC構造)を提案する.ここではUBRC構造の基本特性を検討するため,正負交番載荷実験およびハイブリッド地震応答実験を実施し,その地震応答性状を明らかにした.これより,アンボンド芯材を導入することにより,正の二次剛性を有する荷重-変位関係を持つRC構造を容易に実現することができること,アンボンド芯材を導入することにより,従来のRC構造に比べて強震後の残留変位を小さくすることができること,そして地震時にも芯材効果が有効に発揮されることが明らかとなった.またUBRC構造特性を変化させる芯材パラメータとして;芯材の断面積,断面内配置位置,長さおよび間隙付定着部の間隙量を抽出し,これらを変化させることにより,様々な骨格曲線を有する構造を実現できることを明らかとした. 次にUBRC橋脚構造の特徴である二次剛性を利用した二段階耐震設計の考え方について整理し,二次剛性を考慮した二段階耐震設計の概念を提案した.タイプI地震動に対しては,橋脚構造の小規模化,初期剛性の低下により必要強度を低減する.タイプII地震動により要求される必要強度が大きくなる場合は,二次剛性の付与によりそれを低減する.さらに橋脚構造の小規模化による残留変位の増加は,二次剛性を付与することにより抑制する.また,この時橋脚構造の断面は,震度法により要求される必要強度を満足する断面の規模以上とする.つまり小規模橋脚断面にアンボンド芯材を配置することにより,初期剛性が小さく,かつ,安定した二次剛性を有するUBRC橋脚構造を実現できれば,二次剛性を利用した二段階耐震設計を実現できる可能性がある.
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