研究分担者 |
堀家 正則 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80221571)
笹谷 勉 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10002148)
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助教授 (50012935)
南雲 秀樹 名古屋大学, 工学部, 講師 (20293657)
飛田 潤 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90217521)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
基盤のVsが1500m/s以上のKiK-net161地点,K-net11地点,深層ボーリング地点5地点,濃尾平野44地点の総計221地点で観測した微動H/Vと地震観測データを比較し,次の結論を得た. (1)微動H/Vと地表における地震動のH/Vとの近似度により,A, B, Cのランク付けを行った結果,近似度が良いランクA, Bの地点は全体の81%に達した. (2)微動H/Vは地表における地震動H/Vおよび地表と基盤の地震動H/Vと良く近似しており,微動H/Vは表層の水平地震応答のみならず,水平動と上下動の両方の地震応答を反映している.微動H/Vは地震の水平動の地表と基盤の伝達関数に比べ小さな振幅であり,これを水平動の応答特性と見なすことは地震増幅特性を過小評価する恐れがある. (3)微動H/Vの卓越周波数は地震の各種スペクトル比のそれらと極めて良く対応しており,微動H/Vからその地点の地震時卓越周波数を高い精度で予測することが可能である. (4)微動H/Vのピーク振幅と地震動の各種伝達関数のピーク値との対応は,卓越周波数に比べ悪いが,ほぼ正の相関が認められるものの,スペクトル強度比は周波数特性を有し,微動H/Vのスペクトル形から表層地盤の入射地震増幅特性を直接推定することは殆ど不可能と考えられる. そこで,観測地点の基盤深度と表層の平均Vsおよび微動H/Vの卓越周波数と基盤深度の関係を定式化し,激動H/Vのピーク振幅と水平動の基盤と地表間の伝達関数のピーク振幅との関係から,微動H/Vの卓越周波数とその振幅を用いて2層構造モデルを仮定した表層の地震増特性を推定する工学的な手法を提案した.本案による予測結果は,ボーリングのP, S検層データに基づく地震増幅特性結果と概ね良い対応を示しており,地盤の地震増幅特性を予測するための概査法として有効であることを示した.
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