配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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研究概要 |
清水は複列砂州の形成と植生の影響に着目し、アルファルファ種子を移動床水路に蒔いて複列砂州河道の形成実験を実施した。この結果、植生の発生とともに(1)抵抗が増大すること、および(2)植生の根により河岸侵食強度が増大することが確かめられ、複列砂州河道の形成が抑制されることが明らかになった。また、清水は植生の影響も加味した数値計算モデルにより実験の再現計算を行い、植生の影響による砂州の形成機構の変化について検討を行った。さらに,川幅・勾配・植生による河岸侵食特性を考慮した数値計算を系統的に実施することにより,植生が砂州形成に及ぼす影響を検討した.また,数値計算モデルを平成15年8月に北海道日高で発生した厚別川の氾濫に適用し,その有効性の検証を行った. 長谷川は複列砂州河川の形成における重要な因子としての分岐流路の形成機構に着目し、その抽出実験を行った。この結果、対称な分岐部流路においても流路交番現象が生じることが明らかにされるとともに、それに果たす砂礫堆の役割を解析モデルにより明らかにした.さらに,この結果を標津川の蛇行分岐部に適用し,流砂量と河床の堆積・侵食の特性を明らかにした. 渡邊は複列・網状流路形成における流量の非定常性の影響に着目し、非定常流量を用いた砂州形成実験を行った。この結果、単列砂州領域と複列砂州領域にまたがる水理条件下での非定常実験においては、平坦河床から複列砂州そして単列砂州へと移行することが確認された。また、複列砂州が発生したのは流量の上昇期のみであり、下降期の同一水位では複列砂州ではなく単列砂州のままであった。これは履歴効果が重要な要因となっていることを示すものである。さらに,この結果を平成15年8月の十勝川出水時の河床変化の特性分析に適用し,理論の検証を行った. 以上の結果,複列・網状河川の形成特性を,その重要な因子である,植生・分岐・砂州モードという観点から実験,理論的考察,数値計算モデルの開発を行い,最終的には実河川の複列・網状河川に適用した.
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