研究分担者 |
鯉渕 幸生 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (60349800)
磯部 雅彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20114374)
渡辺 晃 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011138)
本田 隆英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70361524)
佐々木 淳 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50292884)
|
配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
|
研究概要 |
従来の海岸地形変化モデルは,海岸の構成材料は均一な粒径の砂礫であることを前提としているため,移動しながら粒度組成が変化していく混合砂礫の輸送現象を扱えなかった.本研究では,現地海岸にも適用可能な混合砂礫海岸の地形変化を定量的に予測するモデルを構築することを目的とした. 現地海岸では漂砂が活発となる砕波帯において,流速波形に加えて加速度波形も非対称となり,波により発生する戻り流れの影響も強く受ける.まずは,大型水槽における実験結果を波による流速波形の前傾化の観点から再整理するとともに定常流を含む加速度非対称波形を用いた詳細な振動流実験を実施し,混合粒径底質の移動機構の把握と漂砂量データの蓄積を行った.混合粒径底質では,細砂は粗砂の影響を受け移動しにくくなり,粗砂は細砂の影響を受け移動しやすくなることが見出された.振動流条件では,繰り返し外力のもとで表面の粗粒化や直接的な運動量交換が生じることを明らかにし,計測結果からこれらをモデル化することにより,異なる粒径間の相互干渉機構を考慮した砕波帯にも適用可能な砂移動モデルを提案した. 以上のようにして構築した局所漂砂量モデルを従来から開発を継続している波・流れモデルと結合することにより混合粒径底質海岸の変形予測モデルを提案した.平面水槽における実験では,代表的な海岸保全施設である突堤や離岸堤を対象とした実験を実施したが,これらの構造物周辺の海浜変形も提案した数値モデルにより精度良く再現可能であることを確認した.
|