研究分担者 |
木村 正彦 東急建設, 建設エンジニアリング部, 研究職
清家 剛 東京大学, 大学院・新領域創世科学研究科, 助教授 (60236065)
大橋 好光 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (70160603)
藤田 香織 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20322349)
田中 禎彦 文部科学省文化庁, 建造物課, 文部技官
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
平成13年度は,東京都立大学内の実験施設にて組物の静的水平加力実験を行った.試験体は最も基本的な形状の組物である大斗肘木と出三斗の実物大部分模型とし,2m四方の平面の四隅に柱頭部分を配し,その上に組物の実物大部分模型を載せた状態で加力を行った.加力は正負交番静的水平加力実験とし,変位制御にて最大変形角1/20rad.まで加力を行うことにより,組物の大変形領域での挙動を明らかにした.その結果,(1)組物の復元力特性はバイリニア型または紡錘形を示し,繰り返し加力に対する剛性の低下が認められない,(2)組物の変形は,大斗の回転→部材同士の滑り→ダボのめり込みを伴う部材どうしの滑り,という3つの変形が段階的に現れる.(3)大変形領域(1/60rad.以上)では部材同士の滑りを伴うせん断変形が主要な変形要素である.(4)大変形領域での剛性はダボのめり込み剛性から求められ,上載荷重の影響は受けない.(5)初期剛性は組物の種類にはよらず,大斗の形状から理論的に求められる.(6)上載荷重の増加に伴い大斗の浮き上がりが拘束されるため,初期剛性は上昇する. 平成15年度には,組物3種類各1体を対象とした動的載荷試験を行った.実験には動的アクチュエーターを用い,三角波・正弦波等を試験体頭部に入力した。試験体は,静的水平加力試験と同じ形状・仕様の出三斗を標準形し、寸法を3/2倍にしたものと2/3倍にしたもの各1体とした。静的水平加力試験の結果と比較することにより、速度依存性について考察した。その結果、復元力特性はほぼ同様の結果が得られたが、剛性は静的な載荷と比較すると大きくなり速度依存性が認められた.また、過去に提案した組物の履歴モデルおよび剛性の評価方法を異なる寸法の試験体に適用し考察を行ったところ,履歴モデルは適用が河能であることを明らかにした.しかし,剛性の評価に関しては,概ね推定値と近い値が得られたが,相似則の適用も含めて更に詳細な検討が必要である.
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