研究課題/領域番号 |
13450255
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
|
研究分担者 |
佐久間 昭正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30361124)
梅津 理恵 東北大学, 大学院・工学研究科, 日本学術振興会特別研究員
笹尾 和宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 博士後期課程・日本学術振興会特別研究員
佐々間 昭正 日立金属(株), 磁性材料研究所, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
|
キーワード | Mn系合金 / ネール温度 / バンド構造 / 磁気構造 / 電子比熱係数 / 電気抵抗 / 結晶歪み |
研究概要 |
本研究では、非常に高いネール温度を示しGMR, TMR効果を示す多層膜の反強磁性材料として注目されているγ-Mn系合金およびL1_0型Mn系合金の基礎物性と電子状態を実験および理論の両面から調べることを目的としている。得られた成果を以下に示す。 1.γ-MnRh系合金に関する研究 Mn_3Rh規則相合金ならびに不規則相合金において磁化、電気抵抗、熱膨脹および低温比熱測定ならびにバンド計算を行った。この合金は、電子状態密度においてフェルミ面近傍にディップを形成することで反強磁性状態を安定化し、高いネール温度を実現していることが明らかになった。また、ネール温度の圧力依存性ならびに体積弾性率を詳細に調べた。 2.γ-MnIr系合金に関する研究 実用材料として注目されているγ-MnIr不規則相合金の磁気相図を明らかにした。磁気構造と格子歪みが密接に関連していることが分かっているが、fct構造からfcc構造への構造相転移温度と2Qから3Qへの磁気転移温度が必ずしも一致しないことを理論および実験の両面から明らかにした。 3.L1_0型MhTM (TM=Ni, PdおよびPt)合金に関する研究 非常に高いネール温度を有するL1_0型MnTM (TM=Ni, PdおよびPt)合金について磁化、電気抵抗および低温比熱測定、ならびに理論計算を行った。これらの合金系はフェルミ面近傍に擬ギャップを有する非常に特徴的な電子状態を有することが判明した。また、デバイス特性に関わる電気抵抗率の組成依存性を理論計算の結果と併せて、定性的に説明できることを明らかにした。 4.L1_0型MnIr合金に関する研究 L1_0型MnIr合金の電気抵抗および磁化測定ならびに電子状態に関する研究を行い、他のL1_0型MnTM合金と同様に擬ギャップ型反強磁性体であること、そしてMn系合金のなかで最も高いネール温度を有することを明らかにした。また、この合金系は低温において大きな磁場中冷却効果を示すことが判った。 5.交換結合に関する研究 γ-MnおよびL1_0型反強磁性合金の交換結合を古典的ハイゼンベルグ模型を用いて解析し、それらの計算結果と実験結果が極めてよい対応を示すことを明らかにした。
|