研究課題/領域番号 |
13450263
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島田 昌彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80029701)
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研究分担者 |
窪田 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10271975)
山根 久典 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (20191364)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 多成分系ナイトライド / 機能性窒化物 / フラックス法 / 反応焼結法 / 結晶構造 / 電気的性質 / 磁気的性質 |
研究概要 |
新しい機能性セラミックスの開発研究として、特異な結晶構造を有する多成分系ナイトライドに注目し、反応焼結法によるLi-Mg-M-N(M=Ni,Fe)系とフラックス法によるBa(Sr)-Cu-In-N系窒化物の創製と特性評価を行った。 Ar雰囲気グローブボックス内で出発原料を組成比で秤量し、N_2雰囲気反応焼結法では、試料をペレット成形後Moボートに入れステンレススチール製反応容器に挿入して電気炉で加熱し合成実験を行った。フラックス法ではNaと出発原料をBNルツボに入れ、ステンレスチューブ内に挿入後N_2ガスを導入し、電気炉で加熱して合成実験を行った。得られた試料は、本科研費で購入したX線発生装置を用いてX線回析像の測定を行い、相同定と結晶構造解析を行った。 (Li_xMg_<1-x>)_3N_<2-x>(0<x<0.2)は体心立方格子(a=9.9767Å)で、LiMgNはLiとMgが規則配列した斜方晶系(a=7.1586,b=3.5069,c=5.1014Å)でLiCaNと同型構造であり、(LixMg_<1-x>)_2N_<(2-x)2/3>(0.65<x<0.6)は急冷相でa=4.9956Åの逆蛍石型構造であることが判明した。(Li_<1-x>Ni_x)_3N(0<x<0.25)固溶体では、xの増加と伴にc軸が減少しNi原子の電子雲の重なりが生じ、金属的電気伝導を有することが判明した。新規窒化物であるLi_7FeN_<3.75>は立方晶系(a=9.782Å)の逆蛍石型に関連した超格子構造で、T_N=40Kの反強磁性体であった。 (Ba,Sr)-In-Cu-N系において、Naフラックス法で合成実験を行い、6種の新規窒化物、Ba_8Cu_3In_4N_5、Ba_<14>Cu_2In_4N_7、Sr_8Cu_3In_4N_5、Ba_<0.73>Sr_<0.28>CuN、Ba_6In_<4.72>N_3とBa_<14>Cu_2In_4N_7の合成に成功し、結晶構造解析の結果、N原子はBa, Sr, Cu原子によって6配位8面体内に位置し、これらの配位多面体は互いの頂点、稜や面を共有した構造を有し、In原子は1次元、3次元のポリアニオンとして構造中に存在した。 本研究では、特異な結晶構造を有する多成分系窒化物の合成に成功し、その結晶化学的基礎データを明らかに出来たが、結晶構造と物性の相関解明は今後の課題である。
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