配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
弾性異方性の強い繊維強化複合材料の全ての独立な弾性定数と内部摩擦を高精度に計測するための電磁超音波共鳴/レーザー計測システムを利用してシリコンカーバイド強化チタン合金複合材料の弾性定数と内部摩擦を室温から900℃の範囲で測定し,従来しられていなかった450℃における弾性定数の異常な温度依存性を検出した.これが繊維とチタン間の剥離に起因することも突き止めた.さらに,このシステムを利用して,圧電体の全ての圧電定数と弾性率を同時に決定することに初めて成功し,リチウムナイオベイト結晶の正確な材料定数を測定した.共鳴法によって弾性定数だけでなく圧電定数も決定するためには,観測される共鳴周波数の正確なモード特定が不可避であるが,共鳴周波数だけでは何もモード情報を得られない.我々はレーザードップラー振動計測を用い,共振状態にある圧電体の表面の振動分布を正確に測定し,これを計算する手法を確立した.そして,測定した振動分布図と計算した振動分布図を比較することで,誤りの無いモード特定を行うことに成功した.さらに,独自に開発した点接触超音波顕微鏡を用いて,シリコンカーバイド繊維の断面内のヤング率分布を計測することに成功した.この結果,コア部に存在する炭素のヤング率が500GPaを超える高いものであることが判明した.これは,グラファイトに似た炭素結晶のC軸が半径方向に向いた集合組織を有し,弾性定数が極めて大きなa軸が繊維の軸方向を向いていたためであり,内部組織と弾性定数の測定結果に良い相関を見出すことができた.また,シリコンカーバイド層の中でも弾性定数は分布しており,特に炭素に近い部分では弾性定数が急激に減少していた.おそらく,炭素が拡散してきたことにより,理想的なSiCの組成に比べて炭素が過剰に混入した組織となっているために,弾性定数の低下が見られたものと考えられる.
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