配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
研究概要 |
本研究は,Ni基,Fe基,Ti基合金を対象として,透過型電子顕微鏡法を利用した実験と,マイクロメカモックスに基づくエネルギー計算やPhase field法などに基づくシミュレーションにより,各種相分解(相分離)組織の形成と安定性を調べ,析出粒子/マトリックス間の格子ミスフィットに起因する弾性エネルギーの効果(弾性効果)を利用した材料組織設計の基本となる考え方を探ったものである。得られた主な結果は以下のようである。 1)γ'(Ni_3X型)金属間化合物が相分解を起して形成される規則相マトリックス(γ')/不規則相粒子(γ)系においては,γ相が相分解を起して形成される通常の不規則相マトリックス(γ)/規則相粒子(γ')系の場合と同様,弾性拘束系に特有の組織変化が生じる。 2)Ti合金に存在するTi_3Al, TiAl, Ti_3Al_5金属間化合物相が関与するTi+Ti_3AlやTiAl+Ti_3Al_5などの相分解組織においても,弾性拘束系に特有の組織変化が生じる。 3)Fe-Si-V合金は高温時効により不規則A2マトリックス中に規則相DO_3粒子を析出する。このDO_3析出相粒子は,低温時効により相分解を起して,A2相粒子を析出する。 4)Ni-Al-Ti合金は高温時効により不規則相γマトリックス中に規則相γ'粒子を析出する。このγ'析出相粒子は,低温時効により相分解を起して,γ相粒子を析出する。 5)析出規則相が再び相分解して形成された上記のA2+DO_3およびγ+γ'の2相組織の粗大化は,通常のオストワルド成長よりもゆっくりと進む,すなわち粗大化が抑制される。同時に,機械的性質の劣化も抑制される傾向にある。 6)耐熱合金に好ましい組織である"粗大化し難い安定な2相組織"を得るためには,弾性効果を利用すること,規則相の相分解(相分離)現象を利用すること,などが有効である。
|