配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
種々の酸化物中の水の溶解度を局所的な酸点・塩基点の部分中和反応による酸塩基反応をもとにして理解する方法を提案し,実験的に検討を行った.水の溶解反応を以下のような酸塩基部分反応の総括反応ととらえることが出来る. O^<2->(g)+V^<・・>_o=O^x_o (1) +) 2(H^+(g)+O^x_o=OH^・_o) (2) H_2O(g)+V^<・・>_o+O^x_o=2OH^・_o (3) 酸素空孔などの欠陥やドーパントの近傍に存在する酸素空孔と酸化物イオンは類似のサイトの中で最も強い酸点および塩基点として働き,反応式(1)および(2)式で表される反応に関与するものと考える.また,この酸点及び塩基点はフェルミ準位付近の電子構造,特に欠陥やドーパントが価電子帯および伝導帯付近に形成する欠陥準位により説明することが出来る.すなわち酸点及び塩基点はLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)およびHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)準位に相当している.本研究で提案した上記の概念を実験的に確認するために,2次イオン質量分析計(SIMS)を用いて種々の三価の希土類イオンをドープしたセリア中の水の溶解度測定を行うとともに,光電子分光法,軟X線吸収/発光分光法による電子構造の観察を行い,セリアと比較して水の溶解度が低い類似の酸化物である安定化ジルコニアと比較した.また,溶解度測定と電子分光測定をペロブスカイト型酸化物であるチタン酸塩,セリウム酸塩,ジルコン酸塩について行い,本研究で提案したモデルの妥当性を検証した.
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