研究課題/領域番号 |
13450317
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東谷 公 京都大学, 工学研究科, 教授 (10039133)
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研究分担者 |
神田 陽一 京都大学, 工学研究科, 助手 (60243044)
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60200200)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 吸着層 / 高分子 / 表面間力 / 付着力 / 凝集剤 / 吸着 / 表面 / 水溶液 |
研究概要 |
水溶液中のカチオン性高分子の雲母板表面への吸着構造を原子間力顕微鏡(AFM)によりin situ観察するとともに表面間力との関係を検討した。その結果、以下の結論を得た。(1)水溶液中における高分子構造の十分な緩和には10日以上の長い時間が必要である。20日間放置した希薄溶液を用いることにより、分子量1000万の高分子1分子を純水中でin situ観察することに成功した。(2)分子量の小さい高分子は、島状に小さく丸まって吸着する。(3)無機電解質の添加は、分子内の静電反発力の減少により緩和が抑えられ吸着構造は小さくなる。(4)吸着構造と表面間力の比較検討の結果、塊状吸着構造は鎖状吸着構造に比べ引力が強くまた長距離に作用し、凝集効果が高い。このことは粉末で供給される高分子を凝集剤として用いる際は、十分な溶解・緩和が起こる前に使用する方が効率的であることを示唆している。 両性高分子について同様に検討した結果、以下の結論を得た。(1)高分子が両性となるpHが中性の領域では、高分子の構造は分子内の静電引力により丸まり塊状に吸着するが、低pH域では正電荷が優勢となり拡がって鎖状に吸着する。(2)高分子の吸着に伴う表面間の立体斥力は、その発生距離がpHの上昇とともに増加すなわち吸着層が厚くなる。また付着力の検討より、溶液のpHは凝集効果に影響を与えない。また実際上併用されることが多いポリ塩化アルミニウムの効果を検討した結果、次の結論を得た。(3)ポリ塩化アルミニウムを吸着させて改質した表面には、非常に小さく丸まった高分子が高密度に吸着する。(4)改質表面に高分子が吸着すると、表面間には強い付着力が生じる。これは、負電荷表面上に多価の正電荷が局在化し、強い静電気引力が生じたためと推定された。これは高い凝集効果を示すとされる経験的知見と整合する。
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