研究概要 |
計画に従い,In-situ蛍光XAFS測定のためのシステムの設計・製作を行った。測定用のステンレス製セルは新規に設計を行い、製作した。脱硫反応用流通系反応装置はマスフローコントローラー、液送ポンプ、微少流量計を組み合わせて自作し、反応ガスのモニターにガスクロマトグラフを用いた。また、ガス処理については排気ガス洗浄装置及び燃焼装置を準備し、排気ガスの無害化を行った。硫黄化合物についてはスクラバーを反応ラインに取り付け、洗浄液に吸収させて処理した。セルを設置するハッチ内には水素及び硫化水素ガスセンサーを準備し、安全管理を行った。以上の装置一式を筑波の高エネルギー加速器研究機構の放射光施設(PF)に持ち込みin-situ蛍光XAFS測定システムを構築した。 Co-WoおよびNi-W触媒のCo, Ni K吸収端蛍光XAFSを脱硫反応条件下で測定、解析した。試料をin-stu蛍光XAFS測定セル内にセットし、H_2S/H_2混合気流中で硫化後にチオフェン/水素混合ガスを流通して反応を開始し、蛍光XAFS測定を行った。硫化過程のスペクトル変化から,Co-WoおよびNi-W触媒ではNiの方が硫化され易いことが明らかとなった.また,添加剤であるニトリロ三酢酸(NTA)を添加すると,Ni, Coの硫化速度が遅くなり,Co, Ni硫化物粒子の生成が抑制されることがわかった.また,NTAの添加効果はNiよりCoでより顕著に現れることが,Co_9S_8を参照物質として解析した結果からわかった。
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