研究課題/領域番号 |
13450374
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永島 英夫 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (50159076)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | 分子触媒 / 有機合成 / 高分子合成 / クラスター / 複核錯体 / 有機ケイ素化合物 / ラジカル反応 / 還元 / ヘテロバイメタリック錯体 / 有機遷移金属錯体 / チタン / ジルコニウム / ルテニウム / 配位重合 / ラジカル環化反応 / ニッケル / オレフィンメタセシス |
研究概要 |
分子触媒反応は、次世代の物質製造プロセスにはなくてはならないものと位置づけられている。一方、触媒となる金属錯体のうち、未開拓の領域として、金属核を複数含む有機金属錯体である有機金属クラスターが注目されており、その錯体構造設計と触媒反応設計の指針の確立が急務である。本研究では「原系で金属錯体を安定化する効果が、反応系において基質と反応する際には容易な構造変化を起こして高活性金属種を剥き出しにする」ことのできる「フレキシブルな」配位子の設計と金属錯体の合成をおこなうことを通じて、触媒反応に適した金属活性種を容易に発生する方法を確立し、さらにはその錯体に最適な触媒反応設計による触媒反応の達成することを目的として研究を遂行した。その結果、(1)ヘテロ共役系であるアミジナートを配位子とする高反応活性単核、複核ルテニウム錯体を創製し、その構造と反応性を明らかにした。さらに、触媒的なアリル化合物変換反応、ラジカル環化反応に応用し、優れた活性を実証した。(2)ヘテロ共役系であるスルホンアミドを配位子とするチタン錯体を創製し、その構造と反応性を明らかにするとともに、オレフィン重合触媒としての活性を実証した。(3)共役π系であるアセナフチレンを配位子としたルテニウム3核クラスターを用いてヒドロシランを活性化する反応を詳細に検討し、その特異的な反応性を明らかにするとともに、触媒的なカルボン酸誘導体の還元反応、シランを開始剤とする環状エーテル、シロキサンの重合反応に成功した。(4)反応活性クラスターの基礎反応過程を、共役π系と金属種の相互作用、異核錯体生成反応、の2つの反応に注目して明らかにし、錯体設計指針に新しい知見を与えた。以上の成果は、新規反応活性有機金属錯体の設計、合成、基礎反応過程の解明が、特異的な触媒反応を実際に与えることを実証したものであり、分子触媒化学の発展に貢献する成果である。
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