研究課題/領域番号 |
13450397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 展雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10171646)
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研究分担者 |
岡部 朋永 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員 (50344164)
岡部 洋二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90313006)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2002年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2001年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 炭素繊維強化プラスチック / 光ファイバ / FBGセンサ / 90度層クラック / 反射光スペクトル / クラック発生 / クラック抑制 / クラック発生抑制 / 形状記憶合金 |
研究概要 |
本研究では、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材料の損傷過程において、特に、初期段階で発生する90度層中のクラックに対し、自己検知・抑制できる構造ヘルスモニタリングシステムを構築することを目的とする。 クラックの検知は積層板中に埋め込んだ、新規開発中の細径(外径52μm)FBG光ファイバセンサで行った。CFRP積層板の90度層中にクラックが発生すると、隣接した層中のひずみ分布も不均一になる。そのため、隣接層中に埋め込んだFBGセンサからの反射光スペクトルも変化するので、この現象を利用することでクラック検出が可能となる。筆者らは既に、通常の太さのFBGセンサについてこのクラック検出法を確立しており、本研究においてはこの方法を、細径FBGセンサで実現させた。この方法により、基本的な直交積層板に加え、一般的な擬似等方性積層板に適用することに成功した。 次に、クラック発生・進展の抑制は、層間に埋め込んだ形状記憶合金箔(厚さ40μm)で行った。これは、温度を上げると形状記憶効果によって発生する回復応力(収縮応力)を利用するもので、これによってクラックの発生ひずみを遅らせ、さらにはクラックの増加も低く抑えることを試みた。形状記憶合金箔をCFRP直交積層板中に埋め込み、これを、恒温漕付き引張試験機を用い、様々な温度環境中で引張試験を行うことで実験的に検証した。それと同時に、この効果をBrinsonモデルとShear-lag解析を用いて理論的に定式化することに成功した。さらに、これらの実験結果と理論解析結果から、形状記憶合金箔の回復応力を効率よく利用できるための最適な埋込位置と枚数、予ひずみ量、上昇温度等を検討した。 さらにFBG光ファイバセンサによる90度層クラック検出とSMA箔によるクラック発生・進展の抑制を同時に行うことにも成功した。
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