研究分担者 |
徳田 正孝 三重大学, 工学部, 教授 (90023233)
松尾 陽太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70016608)
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
佐藤 明良 IHIエアロスペース・研究開発センター
田邊 靖博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (70163607)
峯杉 賢治 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (90239327)
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研究概要 |
グラファイトはその高い耐熱性から超高温域で耐熱材として使われることが多い.しかし,グラファイトは脆性材料であり,製造過程の段階で多くの微小な欠陥が存在し,その破壊強度は潜在する微小き裂の最大のものに依存する.それゆえ,破壊強度はある程度の分布を持ち,その分布は破壊統計論に基づくワイブル分布によって表される.また,実際に使われる上で部材にかかる応力が純粋な単軸であることは殆んどない.そこで,安全に設計するためには多軸破壊統計論による予測が必要となってくる. 本研究の目的の第一は,二軸試験を用いて多軸破壊統計論を等方性グラファイトにおいて実験的に証明することである.第二は,多軸応力状態での破壊のパラメーターである,モードIとモードIIの破壊靭性値比K_<IIc>/K_<Ic>の値をこの等方性グラファイトに関して決定することである.それぞれについて,以下のような結論を得た. 1)二軸応力破壊試験によって,破壊曲面を作成し,多軸破壊統計論を検証した.σ_3>-28σ_0のき裂にかかる応力が引張応力が主な条件では,K_<IIc>/K_<Ic>=12にしたときの多軸の破壊統計論の理論線によく一致した.σ_3<-28σ_0の圧縮応力が主な条件ではミーゼスの理論線によく一致した. 2)多軸状態下での破壊のパラメーターとなるK_<IIc>/K_<Ic>を混合モード破壊靱性試験から得ることが出来た.円盤圧縮試験,円周き裂引張/ねじり試験から得られた臨界破壊靭性値比K_<IIc>/K_<Ic>は破壊曲面のフィッティングによる12という値と近い値となった.
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