研究分担者 |
肥後 靖 広島大学, 大学院・国際協力工学研究科, 教授 (20156582)
岡澤 重信 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10312620)
北村 充 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40195293)
山本 元道 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30274111)
柳原 大輔 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294539)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
ポンツーン型超大型浮体構造物の波浪中構造崩壊挙動解析法を開発すると共に,海上空港モデルを対象として,終局強度限界状態に対する構造安全性の評価手順を示した。主な結果は以下の通りである。 1.超大型浮体構造物の崩壊挙動の基本解析ツールとして,理想化構造要素法(ISUM)に基づく防撓パネルの座屈・塑性崩壊挙動解析プログラムを開発した。ISUMによれば,通常の有限要素解析に比べて自由度を格段に低減できる。有限要素解析との比較より,圧縮・引張の繰り返し荷重を受ける板の解析を含めて,本プログラムの高い精度と計算効率を明らかにした。 2.理想化構造要素法による,浮体構造の逐次崩壊解析プログラムを開発した。平面サイズが数キロに及ぶ超大型浮体構造物の場合,ISUMを用いても全体構造を解析するための自由度は莫大になる。そこで新たにISUMスーパーエレメントを開発し,全体構造崩壊解析を可能にした。 3.超大型浮体の波浪中動的崩壊挙動の基本的性質を調べるため,弾性固有モードを用いた近似的な流力弾塑性解析を実施し,座屈崩壊が全体応答に及ぼす影響を考察した。併せて,小型模型による水槽試験を実施し,解析法の精度と大波高下における弾性応答の非線形性を調べた。 4.流力弾性解析とISUMを組み合わせた超大型浮体構造物の波浪中全体崩壊挙動解析システムを構築した。まず流力弾性解析から慣性力,減衰力を含む荷重分布を求め,これを,浮力バネ上に置いたISUMモデルに負荷して崩壊挙動を準静的に解析するシステムである。本手法は,浮体全体に比べて崩壊領域が比較的狭い範囲に限定される場合に有効であり,主要部材破損後の逐次崩壊挙動解析に有効である。 5.上記システムを用いて,海上空港モデルの終局強度限界状態における構造安全性を評価し,十分な安全性を有することを示した。また防波堤被災を考慮した浮体構造の安全性評価も実施した。
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