配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
2001〜2003年に,東北地方中北部における主要普及品種である「あきたこまち」および「ひとめぼれ」と当地方を対象に最近育成された遺伝的関係の明瞭な10品種を供試し,収量性の品種間差異および年次変動をもたらす要因について,乾物生産およびその分配に着目して比較検討を行った.得られた結果の概要は,以下の通りである. 1)供試品種の坪刈収量は,2001年が765〜968g/m^2,2002年は700〜770g/m^2,2003年は230〜660g/m^2であった.なお,2003年は,6月末以降7月末までの長期にわたり低温・日照不足が続いたこともあり,不受精籾が多発し,登熟歩合が著しく低下した結果,いずれの品種も著しい低収となった.しかしながら,耐冷性程度が極強にランクされている「はなの舞」,「はたじるし」および「ひとめぼれ」は,同じ熟期の品種に比べて不受精籾の割合は小さく,収量の年次間差異も小さかった. 2)2003年を除く過去5ヶ年の平均収量は,「あきたこまち」の735g/m^2から「おきにいり」の817g/m^2まで約80g/m^2(11%)の品種間差異が認められた.収量レベルが低かった「あきたこまち」および「はなの舞」は,登熟歩合は高いもののシンクサイズ(m^2当たり籾数と玄米千粒重の積)は明らかに小さかったのに対して,収量レベルが高かった「ふくひびき」,「おきにいり」,「めんこいな」および「岩南7号」は,シンクサイズが大きい割に登熟歩合も高く維持されていた. 3)登熟期前半はいずれの品種においても全乾物重増加量に比べて穂重増加量は明らかに大きく,その相違が大きい品種ほど葉鞘+稈重の減少量は大きく,登熟歩合が高い傾向がみられた. 4)長稈品種ほど倒伏指数は大きいものの,普及品種に比べて断面係数および曲げ応力がともに大きいことによって稈の挫折時モーメントが大きい品種がいくつかみられた.
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