配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
1)抵抗性品種と抵抗性が低い品種を用いて植物細胞への病原菌の付着過程を走査型電子顕微鏡で比較観察した.菌から伸長した繊維状の構造体が植物体への付着に関与していた.植物細胞の表面に植物由来の顆粒状物質が観察され,抵抗性品種では顆粒状物質が菌の植物細胞への付着を阻害し,また菌を不動化させていた.抵抗性が低い品種では,顆粒状物質が少なく,菌から伸長した繊維状構造体が相互に繋がって植物細胞に付着していた.菌由来の繊維状物質は植物由来の顆粒状構造体と結合しやすく,根頭がんしゅ病抵抗性品種では顆粒状物質の形成量が多いため,これが植物細胞表面への菌の付着を阻害すると共に,菌の不動化を引き起こして感染を抑制していると考えられた.これに対して抵抗性が低い品種では植物由来の顆粒状物質が少なく,菌由来の繊維状構造体によって容易に植物細胞表面に菌が付着し,感染が成立するものと考えた. 2)バラ品種が示す病徴発達抵抗性の発現機構を明らかにするため,抵抗性の高い品種と低い品種を用い,IAAとZeatinに対する反応性と抵抗性との関係を調べた.抵抗性を持つ品種は必ずしも抵抗性が低い品種よりカルス生長率が高いとはいえず,根頭がんしゅ病抵抗性は植物ホルモンに対する反応性と関係していなかった. 3)抵抗性が強く,Sinapic acidの生合成量が低い'Pekcougel'にSinapic acidを添加し,ゴール形成におよぼす影響を調べた.'PEKcougelの抵抗性発現にSinapic acidは関与しておらず,Sinapic acidを生合成している'Dukat'に添加した場合にはゴール形成の抑制がみられた.
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